基地の街・岩国、ミュージカルできない 電波規制のため

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米軍岩国基地を抱える山口県岩国市では大規模なミュージカルは上演できない――。そんな不便な実態があることが同市議会で指摘された。米軍基地が使う電波との混信を避けるため、演劇などで使われるワイヤレスマイクの周波数帯が制限されているからだ。「キャッツ」などで知られる劇団四季が公演を断念した例もある。

市や総務省によると、コンサートやミュージカルで使われる高性能ワイヤレスマイクは免許制で、二つの使用周波数帯が割り当てられている。だが、岩国市と米軍三沢基地がある青森県三沢市では、片方の周波数帯の使用が禁止されている。

劇団四季が03年に岩国市でミュージカル「青い鳥」の上演を企画したが、24本のマイクのうち10本が使えないことが分かり、公演は実現しなかったという。

総務省はコンサートなどで使われるワイヤレスマイクが増えたのを背景に、デジタルマイクを使えるよう09年2月にも制度を改める方針。従来のアナログ方式では一つの周波数帯で同時に使えるマイクは10本程度だったが、デジタル方式は18本程度に増える。割り当てる周波数帯も四つに増やし、「合計72本程度が使えるようになる」(同省移動通信課)。

しかし、基地のために一部の周波数帯の使用が禁止される限り、岩国市や三沢市で使えるワイヤレスマイクの本数が他地域より少ないことには変わりがないという。
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