記録映画フィルム、保存に力 研究者らセンター設立

日本の戦後を記録した貴重な映像が、いま危機にある。引き取り手のないまま現像所の倉庫などに眠っている「オーファン(孤児)フィルム」が膨大にあり、それらのフィルム原版の劣化と廃棄が始まっている。文化遺産ともいえる記録映画の救済と活用を目指し、27日には「記録映画保存センター」(東京都千代田区)が設立される。手始めとして岩波映画製作所が作った記録映画3898本の保存と再上映、研究利用に取り組む。
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asahi.com(朝日新聞社):記録映画フィルム、保存に力 研究者らセンター設立 - 文化

昨年12月、日立側から保存センター準備会に、保存しているフィルム3898本の扱いについて相談があった。内訳は自主制作1267本、スポンサーから依頼を受けて制作したもの2631本。連絡先が分かったスポンサーに寄贈依頼書を発送し、177社955本の寄贈同意を得た。これらと日立が権利を持つ自主制作映画を合わせた2222本を東京大学東京芸術大学に寄贈する準備を進めている。手紙を出しても無回答で宙に浮いたままの作品1180本は、長野県木曽町の地元企業の協力を得て、湿度の低い高原地帯に倉庫を確保し、一括して緊急避難させる計画も進めている。
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